現在、世界中で新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために移動制限が発令され、テレビにはスーパーマーケットで大量の食糧や日用品を買い込んだ人々の長蛇の列が映し出されています。
いつまで続くかわからない状況の中、不安に駆られて手あたり次第食料を買い占めている人もいます。商品を取り合ってけんかしている人もいました。陳列棚が空っぽの様子を見てしまうとますます心配になってきてしまいます。
心配や不安でストレスいっぱいの状態ではいくら食糧が大量にあっても本当に安心することはできません。今は大量にあっても食べてしまえば減っていく。これから食糧が調達できなくなってしまったらどうしよう・・・。
ちょっと待ってください。
このような今までに経験したことのないような非常時だからこそ冷静になりましょう。
現在の非常事態は自然災害時とは異なります。ライフラインに問題はなく状況も急に変わるわけではないので、じっくり対策することが可能です。
「食べること」について根本的に考え方を見直すことで漠然とした不安から逃れられるようになるかもしれません。
世界的食糧危機がやってくる
新型コロナウイルスの影響で世界は食糧危機に直面する可能性があるということを
2020年4月1日に食糧農業機関(FAO)、世界保健機構(WHO)、世界貿易機関(WTO)の3つ国際機関の代表が警告した
4月1日発信だからと言ってエイプリールフールではありません。日本にいると切実に感じませんが、今世界はこのような状況であることを冷静に受け止める必要があります。
既にロシアをはじめとした一部の国が小麦や米などの穀物の輸出制限措置を導入しました。世界的な非常時です。各国とも自国を優先するのは当たり前の行動です。
一方、日本の食糧自給率は平成30年度は37%です。多くを輸入に頼っています。
このような情報を得るとすぐにでもお米を買いに行きたくなるかもしれません。
消費者の皆様へ
国産米の在庫、供給力は十分にあり、皆様方がお米を買えなくなることはありません。
非常時だからこそ現実をきちんと知っておかないと不安と恐怖と心配で思考も行動も冷静さが失われてしまいます。
パンデミック時の食糧備蓄
自然災害時の食糧備蓄が最低3日分から1週間分というのに対して、感染症に備える場合は最低2週間分、できれば2か月分が望ましいと言われています。
実際3日分ならともかく、2週間や2か月なんていう長期の食糧を備蓄することは簡単ではありません。一人分でも結構な量になるのに家族の分までとなると途方に暮れてしまいます。
そして、スペースや経済的な問題から備蓄できないことに対して不安な気持ちでいっぱいになってしまうのです。
自然災害時のように急にライフラインがストップしてしまうわけではありません。気持ちを落ち着けて、まずは家の中にある食糧の棚卸をしてみましょう。
開封済みや賞味期限切れのもの、買い込んだけど存在を忘れてしまったもの、冷蔵庫や冷凍庫の奥に眠っているもの・・・。そんな食糧たちは出てこないでしょうか。
味が落ちてしまったりして品質に問題があるものはさっさと処分してしまいましょう。賞味期限が切れていてもそれほど古くない乾物等であればまだ食べられます(ちゃんと自分の目と舌で確認してくださいね)。賞味期限という数字のみで判断してしまっては食品ロスを増やすだけです。そういうものはたった今から消費しましょう。
食品の棚卸や整理をすれば何が足りないかが明らかになるはずです。それがわかるだけでも不安は解消されます。不安はわからないから出てくるのです。
いらないものが減った分スペースが確保できます。必要なものだけ準備すればいいので無駄遣いしなくて済みます。
外出自粛なのにいつもと同じだけ食べるの?
外出自粛なので普段よりも活動量は減っているはずです。消費カロリーも少なくなっているでしょう。それなのに通常の活動時と同じだけの食糧が必要なのかどうかは考えてみる必要があります。
子供や妊婦さんをはじめとする日ごろから十分な栄養を必要としている人たちは別として、もしあなたが普段からダイエットを心掛けているのであればそんなに食べなくてもいいのではないでしょうか。
外出自粛の生活は運動不足も重なって太りやすい環境になっています。
食糧備蓄をして過ごさなければならないような非常時においては、少しでも食べる量を減らせば長い期間やりくりすることができるのです。
現代人は食べすぎ
私自身もそうですが、ダイエットのことを考えている時点で「食べすぎ」ているのです。この際なので本当に1日3食しっかり食べることが必要なのかどうかを考え直してもいいのかもしれません。
1日3食しっかり食べることが当たり前の生活をしていたら、先に挙げたような世界的食糧危機が訪れた場合に生き抜くことはできません。
身体は大丈夫だとしても、「食べるものがない!!」と思ったらパニックになってしまいます。
「1日3食きちんと食べましょう!」というのはなんと80年以上も前の1935年、国立栄養研究所の佐伯矩(さいき ただす)医学博士が提唱したことに始まるのだそうです。
戦前の日本人は現在人に比べ体力を使う生活をしていたので必要カロリーは多くなっています。それを3食で補うことは有効でしたが、現代はデスクワークが多くなったり車社会になったりして便利になっているので戦前の人と同じだけ食べなくても大丈夫なのです。
医学や科学の分野で80年以上も前の常識を現在も何の疑いもせずに採用していることってほかにないかもしれません。
食事を減らしたらどうなるか試してみる
世間は非常時の食糧備蓄を推奨しても、「食事を減らしても大丈夫な身体づくり」には一切言及しません。
そんなの非常識だと言われてしまいそうですが、現状の「しっかり食べて当たり前」の身体では食糧が尽きたときにはあっという間に自分も尽きてしまうのです。
1日3食で10日間の食糧備蓄をしている場合、2食にすれば15日間食べることができるのです。5日間長く生き延びられます。
もし、あなたが1食抜いただけでも不安になってしまうのであれば問題です。健康な身体であれば1食くらい抜いても全く問題ありません。実際、お休みの日に寝坊したら朝昼の食事は兼用になっていたりしませんか。
どうしても3食食べたければ1食の量を3割ほど減らしてみれば1食抜くのと同じくらいになります。
非常時に急に食事を減らそうとしても慣れていないとなかなかできません。普段から自分にとって最低限必要な食事量を把握しておけば、1食抜いたくらいでパニックになったりしません。
少食のメリット
非常時のためだけでなく、日常的にも少食にするとさまざまなメリットがあります。次は私が10年近く前に食事量を減らしたときに起こった身体の変化です。
- お腹(胃)が軽い
- 痩せた
- 睡眠時間が少なくても平気になった
- 日中眠くなりにくい
- 経済的
- お腹がすいてもイライラしない
- 時間ができる
- 1回の食事が丁寧になった
- 食べなくても平気だと思うようになった
- ダイエットのことを考えなくなって頭の中が暇になった
他にも少食にしてカロリー制限を行うことで、長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)がONになり若返りや長寿化が期待できるとの研究結果もあります。
まとめ 必要な分だけ食べればいい
「自分は少しくらい食べなくても平気、問題ない。」
と体験的に知っていることによって得られる安心感というものがあるのです。
それが、もしかしたら今後やってくるかもしれない食糧危機の時に発揮されるのかもしれません。
非常事態というだけで心配になってしまうことは山ほどあります。心配やストレスが募れば免疫力も下がってしまいます。
「私は大丈夫だ。」という気持ちが少しでもあるだけでこの難局を乗り越える力になります。
自分にとって必要な食事量がわかっていれば、むやみに食料買いだめに走って他の人の分まで買い占めることはないのです。
家の中に大量の食糧備蓄があっても減っていく様を見るだけで不安になります。しかし、少しの食事量でも乗り切られると思えば同じ量の備蓄でも安心できます。
こんな時だからこそ、世間の常識が自分に合ったものなのかを見直すことができるのです。
では、ごきげんよう♪
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